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2018年3月 7日 (水)

昭和59年5月の園だより

ちょっと前に、古い「園だより」が出てきました。
とても興味深く、かしの木学園の療育の基本が書かれていましたので、
皆さんに紹介したいと思います。

かしの木学園では「わらべうた」を療育で使います。
どうして、「わらべうた」を使うのか、
かしの木学園の考えをお伝えします。

かしの木学園に通園する子供たちの姿(発達)は
3カ月から2才半くらいのレベルの子がほとんどです。

こうした発達段階の子供たちの生活は、幼児期の子供のように、
基本的習慣、絵画、体育、音楽というように、細かい療育に分断するのではなく、
すべての活動そのものが生活であり、あそびであって、
その生活とあそびの中で展開されていかなければならないものだと思っています。


学園がとりいれている「わらべうた」ですが、
たとえば、3カ月から6カ月の発達の子供たちとの遊あそびのねらいは、
うたいかけに笑ったり、くすぐったいなどに反応したりする姿であり、
1才2カ月から1歳半ごろの子供たちは、大人のうたにあわせて、
自分から体をゆらしたり、身振りをまねしたり、口ずさむなど模倣の引き出します。

その先は、自分で歌ったり、歌いながらしぐさをを付けたりという動作の表現、
言葉の計画がされます。
つまり、一つのあそびを通して、発達に必要のな活動が行われているのです。


では、なぜ「わらべうた」なのか?

親と子、上の子が下の子と、子供同志であそび遊ばせる中で自然発生した、
詩やうたであるので必ず仕草が伴い、あそびがあり、
音域も狭く子供の声帯にも無理な負担をかけません。

 声帯の発達は生活年齢と一致するといわれ、
2才なら2~3度の音程のものが正しく歌えるといわれます。
正しく積み上げて年長ではオクターブ前後を歌いこなす。
という段階を踏んだことを理想としています。

仕草が必ず伴うということでは、一つのあそびで子供と1対1で反応を見ながら、
お互いの表情を見ながら、1回目は無反応、2回目は笑った。
次はもっと笑えるようにと、三回、四回、そのうちこの辺からくすぐりを期待できる、
歌を理解しているなど、あそばせ方、あそび方が変化し、
上達し大人への集中が高まっていくはずです。

こうした対応が子供に人への信頼感、期待感、要求、自発性等、
人の関わりの中で生きる力をそだてる源となるもので、
育児、保育、教育の原点だと思うのです。

たった一つのうた、詩と思っていたわらべうたを通して
わが子の反応や理解を引き出し育てながら、
とにかく一緒に歌いこみ、あそび込んで
大人自身がわらべうたの楽しさ、
あそぶことの楽しさをしってほしいとおもいました。

「園だより」昭和59年5月発行

Img_7842トランポリンの時のうた
♪♪どっちんかっちんかじやの子。
はだかでとびだすふろやの子。♪♪